糖質摂取実験について

読んで字のごとく糖質を摂取した実験を行った。
女将の勧めもあり、糖質制限なる健康法を始めてから1年ほど、あまりストイックにやると嫌気がさすので、糖質が欲しくなったなと思ったら、少量を摂るようにしている。
そんなこんなで、ある程度肉体にフィードバックされているはずなのだが、変化が緩やか過ぎたのかほとんど実感がないのである。

頭がすっきりした!とか、お肌がきれいになった!とか、痩せた!とか、死に絶えた命(毛根)がスリラーした!とか、いろんなところで目にし、耳にする実感がないのである。
完全に断糖とまではいかないが、それなりにはやれていると思うので、なにがしかの変化は出ているはずだろう。
そう思い立ち、変化を実感するためにの悪質な糖質を大量に摂取し変化を観察することにする。

ちなみに、私の糖質制限はそのほとんどを女将に依存する。しかるに女将の体調不良は私の糖質摂取量と密接なかかわりがあるのだ。
その時は少々お疲れなのか、布団の中でぬっくぬっくされていた。娘もぬっくぬっくしていた。
「遅刻する~!」と叫びながらバタバタとせわしない朝を送る光景は、日本の風物詩であると思うが故、放置し仕事へ行くことにする。

そういった経緯を経て、私は女将の愛情こもった糖質制限弁当を持たず、勤めへ向かうことと相成った次第である。
そんなわけで冒頭の件を思い付き、実行したのだ。

摂取した糖質は、菓子パンをいっぱいである。そして、甘い!甘すぎるコーヒーと銘打たれた乳飲料
糖質制限での体調の変化は緩やかである。しかし、糖質摂取による血糖値の上昇は一気に起こるため、体調の悪化具合は顕著に起こるはずだとの考えから実験したのだが、結果はやらなきゃよかったである。

まず、摂取中から軽い頭痛に見舞われた。続いて、眉間に意味不明な滞りが発生し、ふわふわとした意識が定まらぬ状態へ陥る。さらに、しばらくすると脳内のどこかは分からないところが膨張(おそらくむくみ)し圧迫感を覚える。認識力や注意力が落ち、思考力が低下する。この時点でギブアップした。

しかし、糖質中毒とはよく言ったもので、翌日になると症状は収まったのだが、なんとなく糖質が欲しくなっているのだ。一歩引いたところから自らを見る意識を持てていたので、嗜好が引っ張られていることが実感できた。おそらく症状が収まったと感じているのも慣れによるもので、実際は軽減はされていても治ってはいない。

私の本来の嗜好は、甘いコーヒーと言う名の飲み物はご免である。最近はもっぱらブラックコーヒーか、付け足すにしてもミルクだけのものが好きなのだが、なんとなく甘いのが欲しくなってしまう。我慢できない程ではないし、しっかりと抜けてしまえば元に戻ると分かっているから耐えられようが、意識しないでいるとほぼ確実に引っ張られるであろう。

人が摂取するもので皮下脂肪や内臓脂肪、凡そ人体内にある脂肪は糖の貯蔵結果である。脂肪はエネルギーとして必要分を吸収するだけなので、備蓄としての脂肪はインスリンが頑張っているだけだ。急激に上がり過ぎた血糖を下げるため、大量のインスリンが放出される。放出されたインスリンはせっせと糖を捕まえ脂肪へと蓄えていく。その中で過剰に血中の糖を取り込んでしまい、急激な血糖の上昇の跡には必ず低血糖を引き起こす。食った後に眠くなる奴だ。血中に不足した糖分を回復させるべく糖を要求し、果てしない悪循環へと誘う。

種として、新たな命を生み出す女性は、大量のエネルギーを必要とする。そのため、体内の脂肪比率が男性よりも高いのが常であるし、その欲求も強いと思われる。分かっていても欲しくなる、まさしく中毒ともいえるものだ。どうか、くじけず、一緒に続けていきましょう!